頭皮トラブルは多くの人が悩んでおり、1~2割程度でかゆみや炎症、湿疹などを経験していることが知られています。
そのまま放置していると、症状が悪化してしまうこともあり、場合によっては薄毛やハゲを伴うようなこともありますので、注意が必要です。
ここでは頭皮環境が悪化する原因についてご紹介し、その対処法についてもお伝えしていきます。
頭皮環境が悪化する原因ってなに?
- シャンプーや薬剤が合わない
- 頭皮の乾燥
- あせもやニキビ
- 脂漏性皮膚炎
- アタマジラミ
髪をきちんと洗っているはずなのに、かゆみが出たり、フケが出たり、痛みを感じたり…。
そのような症状が起きる原因は、さまざまな原因があります。
しっかりと治すためには、まずどのようなことが原因で症状を引き起こしてしまうのか、理解しておきましょう。
シャンプーや薬剤が合わない
シャンプーや薬剤が合わないとアレルギー症状を引き起こしてしまい、少しずつ赤くかぶれてきて、症状が悪化すると湿疹になったり、水ぶくれになってしまうこともあります。
このような症状は、シャンプーや薬剤が原因による炎症ですから、まずは炎症の原因に触れないことが大切になります。
症状がひどい場合には、医療機関に受診して、薬剤を処方してもらう必要があります。
繰り返してしまう場合には、医療機関でアレルギー症状のパッチテストなどによって、原因物質を突き止めておくことがいいでしょう。
頭皮の乾燥
頭皮の皮脂や水分量が不足してしまうと乾燥してしまい、カサカサしてしまったり、かゆみが生じたり、湿疹などの肌トラブルに発展するようなこともあります。
一般的に「ドライスキン」「乾皮症」と呼ばれるもので、頭皮環境の乱れ、紫外線、加齢、洗いすぎ、シャンプーや薬剤の影響などが考えられます。
頭皮に潤いが失われると、カサカサして頭皮がめくれるようになり、フケのように粉をふいてしまうことがあります。
このような状態では、肌が完全に無防備な状態であり、アレルギー症状を引き起こしやすくなってしまい、炎症を伴う肌トラブルに発展します。
そのまま放置していると、頭皮の神経が過敏になり、さらにかゆみや湿疹が治まらなくなってしまいます。
あせもやニキビ
あせもは汗がたまることによって生じるブツブツした湿疹ですが、かゆみが強くなると同時に、ちくちくするような痛みを感じることもあります。
頭皮表面にできるあせもは水晶様汗疹と呼ばれているもので白っぽい水ぶくれが特徴です。
頭皮深くに汗がたまってできるあせもは紅色汗疹と言い、赤く小さなブツブツができ、かゆみとヒリヒリした痛みが特徴です。
ニキビはその元となる「アクネ菌」の増殖と皮脂が毛穴に詰まってしまうことによって生じます。
かゆみや痛みを伴い、かいてしまうことによってどんどん悪化してしまいます。
頭皮に起こるあせもやニキビは「脂漏性皮膚炎」であることや、合併していることもよくあります。
脂漏性皮膚炎
頭皮は皮脂の分泌が多い部位ですが、特に分泌の多い頭や生え際、顔面などにできる多くみられるカサカサしている湿疹のことを言います。
脂漏性皮膚炎は、フケが出るようになって頭皮が赤くなり、かゆみが強く出てしまいます。
症状が悪化してしまうと、かさぶたになってしまい、なかなか治らなくなってしまいます。
頭皮の常在菌である「マラセチア」と呼ばれるカビが、脂漏性皮膚炎の原因であると考えられています。
この「マラセチア」が何かしらの原因によって増殖してしまうことで、頭皮に炎症を引き起こしてしまうのです。
アタマジラミ
「アタマジラミ」とは、人の血を吸って生きているシラミの一種で、主に幼児に多く発生することが知られています。
不潔であることが原因のように感じますが、衛生状態が良い場合であっても、寄生してしまうことがあります。
アタマジラミが寄生している人と体をくっつけて遊んでいるような場合に感染してしまいますので、保育園のお昼寝の時間に蔓延するようなことがあります。
アタマジラミによって頭皮環境が悪化してしまった場合には、駆除専用のパウダーや、アタマジラミの卵を取り除くブラシなどを用いて発生しないようにします。
注意しておきたい頭皮にみられる症状とは
- 頭皮がかゆくなる
- 頭皮に湿疹・ニキビ・炎症ができる
- 頭皮にかさぶたやフケができる
- 頭皮がべたべたしたりひどく乾燥する
- 整髪料やシャンプーなどがしみる
頭皮は環境が乱れてしまうことによって、さまざまな症状が生じます。
普段よりもかゆみが強かったり、フケが多かったり、ブツブツができていたりする場合には、何かしら頭皮環境が乱れていることが考えられます。
そのため、どのような症状があるのか把握しておき、自身の症状がどのような原因によるものなのか探っておくことが大事です。
頭皮がかゆくなる
頭皮の環境が悪くなってしまうと、頭皮に炎症が生じてかゆくなってしまいます。
かゆみの原因にはさまざまなものがありますが、その原因によってかゆみの度合いにも違いがあります。
対処せずに放置していると、強くかいてしまい、さらにかゆみが強くなってしまったり、頭皮の炎症が悪化してしまうことがあります。
かゆみが出てしまった場合には、かゆみの原因を取り除かなくては、いつまで経っても治まることはありません。
場合によっては、湿疹や炎症が広がっていくようなこともありますから、注意が必要です。
頭皮に湿疹・ニキビ・炎症ができる
頭皮に痛みを感じて鏡で見てみると、頭皮が赤くなっていることがあります。
また、湿疹やブツブツしたニキビができていることが確認できることもあります。
これらの頭皮のトラブルは、汗をたくさんかいたときなどに、一時的に生じることがありますが、悪化した場合にはかゆみが強くなったり、痛みが生じたりします。
シャンプーが合わなかったり、アレルギーを起こしているような場合には、どんどん赤く炎症を起こし、小さな湿疹が生じるようなこともあります。
そのまま放置しておくと、外的刺激に過敏に反応するようになり、敏感肌になってしまうこともあります。
頭皮がかさぶたのようになってしまうこともあります。
頭皮にかさぶたやフケができる
頭皮に触れると、かさぶたがあったり、髪を触るたびにフケがいつもよりフケが多くなっているようなこともあります。
このような状態の場合には、頭皮環境が悪化しているだけではなく、皮膚のトラブルや感染症を引き起こしている可能性も考えられます。
カサカサしてしまうのは、「乾癬(かんせん)」と呼ばれる皮膚トラブルが考えられます。
丸い赤みが生じ、その上にかさぶたができてしまうのです。
また「白癬症」と呼ばれる皮膚の感染症によって、ふけやかゆみを伴うこともあります。
「白癬」とはいわゆる「水虫」のことですが、白癬は足だけではなく、頭皮にも感染することがあります。
脱毛を伴いますので、薄毛やハゲの原因になることもありますので注意が必要です。
頭皮がべたべたしたりひどく乾燥する
頭皮のフケと言えば、白いカサカサしているものをイメージすると思いますが、頭皮に皮脂が異常に増えると、べたべたしたフケが出ます。
フケが皮脂に混ざってしまい、べたつきのあるフケとなってしまうからです。
ひとつの原因として脂漏性皮膚炎が考えられます。
頭皮の常在菌であるマラセチア菌が何かのきっかけで増殖するようになり、頭皮に炎症を引き起こして、頭皮をべたべたさせてしまうのです。
また、異常にカサつくこともあります。
乾燥肌(ドライスキン)と呼ばれるものですが、カサつくだけのことや、かゆみや痛みを伴うようなこともあります。
そのまま放置していると、どんどん過敏になってしまい、さらに炎症やかゆみがひどくなってしまいます。
整髪料やシャンプーなどがしみる
整髪料やシャンプーを使うたびに、ヒリヒリしたり、しみるような感じがするようなことがあります。
一番の原因は、それらの成分が頭皮に合わないために生じる、「接触性皮膚炎」と呼ばれるものです。
アレルギーによるものですから、まずはそれらの整髪料やシャンプーの使用を止め、頭皮に合う成分のものを使用することが大切です。
また脂漏性湿疹や乾燥性皮膚炎などといった、頭皮環境の乱れによって生じることもあります。
頭皮環境の悪化を防ぐ対処法は?
- シャンプーなどの原因を取り除く
- 洗髪の回数を減らしてみる
- ストレスを解消する
- 市販の薬剤を使用してみる
もし、冒頭からお伝えしているような症状が現れた場合には、できる限り早く、その原因を取り除く必要があります。
そのため、なぜその症状が現れたのか、原因をはっきりと突き止めることが大切です。
原因となっている物質を取り除いたり、頭皮に優しいものを活用したり、頭皮環境を乱さないような生活習慣が必要になります。
どうしても自身で原因が分からない場合には、皮膚科など専門医に相談することも大切です。
シャンプーなどの原因を取り除く
頭皮のかゆみや炎症、湿疹などについては、シャンプーや整髪料などの素材が合わないことがよくあります。
まず、どのようなシチュエーションでかゆみなどを生じさせているのか考えてみましょう。
洗髪したにもかかわらず、かゆみが治まらないような場合には、シャンプーやコンディショナーが合わないことが考えられます。
いったん中止してみて、オーガニック素材などを活用した、肌に優しいものに変えてみることはひとつの方法です。
また、そのほかにもスタイリングなどに活用しているヘアリキッドやミスト、ワックスなどが原因のことも考えられます。
どのようなものを頭皮や髪に活用しているのか、チェックしてみるといいでしょう。
洗髪の回数を減らしてみる
頭皮や髪をきれいにしようとして、複数回シャンプーしていることが原因によって、かゆみや炎症を引き起こしているような場合もあります。
洗いすぎの場合には、必要な皮脂まで洗い落としてしまい、「皮脂欠乏性皮膚炎」といった症状である可能性もあります。
自身に当てはまるような場合であれば、清潔を保つ程度まで回数を少なくしてみることをおすすめしまう。
「一日一回しか洗っていない」という場合でも、個人によっては洗いすぎになってしまうこともあります。
どうしても髪質によるものですから、回数が決まっているわけではないのです。
髪質が細めであったり、痛みやすい場合であれば、シャンプーの間隔を開けることも大切になってきます。
どうしても清潔を重視させたい場合であれば、シャンプの素材にこだわることが必要となります。
ストレスを解消する
ストレスが引き金となって、頭皮環境が乱れてしまうことも少なくありません。
頭皮だけではなく、全身にじんましんが起きるようなこともあるのです。
ストレスは精神的なものだけではなく、睡眠不足や食生活の乱れであることもあります。
例えば夜更かしが多いことや、仕事で遅くなることが多いような場合に頭皮環境が乱れることがあるのです。
あるいは食生活が乱れていて、外食やコンビニ弁当が多いような場合でも、頭皮のかゆみや炎症の原因になることもあります。
今一度、自身の生活を見直すようにしてみましょう。
市販の薬剤を使用してみる
頭皮のかゆみがひどい場合には、かゆみに効果がある市販の薬剤を使用してみることもひとつの方法です。
ドラッグストアに行くと、さまざまなものが販売されています。
スポンジヘッドになっているものやクリームタイプのものなどがあります。
また薬用シャンプーなども販売されていますので、自身に合うものを使用してみるといいでしょう。
それでもなかなか良くならないような場合や逆に悪化してしまう場合には、皮膚科に相談してみることが大切です。
まとめ
頭皮環境が悪化する原因についてご紹介しました。
頭皮環境が悪化してしまうと、かゆみや炎症、湿疹、ニキビなどの原因となってしまい、べたべたしたり、カサカサしたり不快感を引き起こしてしまいます。
まずは、なぜそのような症状を引き起こしているのか、その原因を突き止めて、それらを引き離してしまうことが大切です。
それでもなかなか良くならない場合であれば、市販の薬剤を用いることや医師に相談することもひとつの方法です。