基礎知識

プロペシアは安全?気になる副作用を徹底検証

MSD社から販売されている「プロペシア」は数少ない服用するタイプのAGA治療薬です。

医薬品は塗布するタイプの薬よりも服用する薬のほうが身体の内部から摂取するため効果を発揮します。

プロペシアは多くの育毛剤や発毛剤野中でももっともAGAの改善に期待が持てる治療薬です。

脱毛や薄毛に悩んでいる人でプロペシアを使ってみたいという人も多いでしょう。

しかしどのような医薬品には必ず副作用があります。
プロペシアの副作用が気になり使用に躊躇している、という人もいるはずです。

果たしてプロペシアは安全な薬なのかどうか、さらにはどのような副作用が起きる可能性があるのかを解説します。

プロペシアは安全な医薬品なのか?

プロペシアは安心して服用できる安全性の高い医薬品なのでしょうか?

プロペシアの持つ特徴や発売されてからの実績や評価、効果を紹介するとともに安全性も検証します。

プロペシアとは

「プロペシア」は1997年にアメリカのメルク社が開発した医薬品です。
プロペシアにはAGA治療に効果を発揮する成分、フィナステリドが配合されていることが大きな特徴です。

元々フィナステリドは前立腺肥大の治療薬として開発された成分でした。

この医薬品を使用していた患者に脱毛や薄毛の改善といった症状が見られたためAGA治療薬として研究が進められたのです。

その後、フィナステリドは世界初の服用するタイプのAGA治療薬として承認されました。現在、フィナステリドは世界60カ国以上で承認され、日本ではMSD社が2015年からプロペシアを製造発売しています。

プロペシアはAGA治療になぜ有効なのか

フィナステリドは男性ホルモンの一種、DHT(ジヒドロテストステロン)の増殖を抑える働きを持ちます。

AGAはDHTが毛髪の成長を通常より早く止めてしまい、その結果脱毛が増え薄毛が進行する、という症状の病気です。

DHTは男性ホルモンの一種であるテストステロンが変化し増殖します。
フィナステリドはテストステロンがDHTに変化するための酵素の働きを阻害するため、毛髪の成長を妨げないのです。

プロペシアは安全な医薬品です

プロペシアは安全な医薬品ですのでご安心ください。

日本を初め60カ国以上で承認されており、副作用が起きる可能性が非常に低い医薬品であると証明されているからです。

現在日本ではあらゆるAGA治療の安全性や効果をランク付けしていますが、プロペシアは最も高いAランクに指定されています。

プロペシアの副作用とは

どのような医薬品でも使い方次第では必ず副作用が起きます。

プロペシアの副作用にはどのような症状があるのでしょうか?

具体的な副作用の症状や原因、副作用が発生する確率を紹介します。

男性機能の低下

プロペシアの副作用として代表的なものとしてED、性欲減退、精液の減少といった男性機能の低下が挙げられます。

因果関係が証明されてはいませんが、プロペシアが男性ホルモンに作用するためこのような副作用が起きると言われています。

EDや性欲減退が起こる確率

男性機能の低下が起きる確率は「ごく稀」です。

MSD社はプロペシアの臨床データの中で副作用に関する情報も公開しているので紹介しましょう。

プロペシアを服用した患者のうち、EDの副作用を訴えたのは1%未満であり、性欲減退を訴えたのは1~5%未満でした。

さらに精液減少にいたっては「頻度不明」という非常に低い確率です。

プロペシアが男性機能に影響を及ぼす理由

前述した通り、プロペシアと男性機能低下の因果関係は証明されていないため本当にプロペシアが影響しているかは不明です。

しかしプロペシアを服用時にもしこのような症状が出た場合、服用を中止すればすぐに回復するでしょう。

ちなみに、臨床実験時にプラセボ(有効成分の配合されていない薬)を投薬したところこの症状を訴える人が一定数いたそうです。

「プロペシアが男性機能を低下させる」と認識する人には精神的な要因で男性機能が低下する、というケースがあるかもしれません。

ED治療薬と併用しても問題ない?

いくら精神的な要素が強いとは言え、プロペシアと男性機能の低下が関連しない、と否定できないのも事実です。

もし、プロペシアを服用して男性機能の低下を感じるようであれば医師に相談してください。

プロペシアに併用禁忌薬はなく、ED治療薬と併用しても問題ありません。
体調や体質に問題がなければEDの治療薬を処方してくれるでしょう。

肝機能障害

プロペシアを服用して起こる可能性のある副作用として肝機能障害も挙げられます。

プロペシアを服用するとなぜ肝機能障害が起きるのか、さらに肝機能障害が起こる確率や注意点を紹介します。

肝機能障害が起きる原因

プロペシアを服用すると成分は肝臓で代謝されます。

代謝する際には肝臓に負担をかけることになるのでその結果肝機能が低下する、という症状が出ることがあります。

肝臓は口から入った物を栄養素と不要な成分に濾過するという働きを持ちます。

もし肝機能が低下すると様々な病気を引き起こす可能性が高くなり、場合によっては重篤な状態になることもあるでしょう。

肝機能障害が起こる確率

肝機能の低下は怖い副作用ではありますが、プロペシアを服用して肝機能障害が起きるのは非常に低い確率です。

プロペシアの添付文書には肝機能障害に関する副作用に関しては記載されていません。

記載するほどの症状ではない、という確率であり発生する確率は0.2%程度と言われています。

さらに補足すると、どのような医薬品も服用すると肝臓で代謝します。
肝臓に負担をかけるのはプロペシアだけではないのです。

肝臓の数値に要注意!

どうしても肝機能障害が心配、という人はプロペシアを使用する前に血液検査を行い、肝機能に関する数値を記録してください。

そして服用後にどう変化したのかチェックしましょう。

使用前と後で数値が大きく変化するようであればプロペシアが肝臓に負担をかけている可能性が高いと言えます。

チェックすべき肝機能の数値は、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPといった項目です。

その他の副作用

その他に考えられる副作用としては、うつや乳房の女性化といった症状が挙げられます。

ただしこれらの症状も関連性が証明されてなく、精神的な要因が大きいと考えられています。

成分や添加物に対するアレルギー、例えば皮膚のかゆみや蕁麻疹といった副作用も起きる可能性としてはあります。

しかしこの症状も発生するのは非常に低い確率で、どの医薬品にも起こりうることです。

プロペシアを安全に使用するために

プロペシアの副作用を紹介しました。

では、副作用を起こさないためにはどうすればよいのか、安全に使用するために忘れてはいけないポイントを解説します。

プロペシアを使用してはいけない人

プロペシアを未成年と女性は使用してはいけません。

プロペシアは壮年性脱毛症、男性型脱毛症といった男性特有の脱毛症に効果を発揮し、未成年や女性には効果を発揮しないからです。

また、安全性が証明されていないのも理由の一つです。
女性で特に妊娠中の人や授乳中の人は注意してください。プロペシアはホルモンに作用します。

妊娠中や授乳中の人が摂取すると胎児や乳児の生殖機能に影響を与える可能性があります。

プロペシアに併用禁忌薬はあるのか

医薬品によっては飲み合わせの悪い薬がありますが、プロペシアには併用禁忌薬はありません。

プロペシアと発毛成分のあるミノキシジルを併せて使用しても問題なく、治療効果を高めるためにいずれも処方する医師もいます。

ちなみに、プロペシアは水以外で服用しても問題ないですしアルコールの影響も受けにくいという性質を持ちます。非常に効果が安定している医薬品です。

プロペシアを使用する際の注意点

プロペシアは安全な医薬品とはいえ使用方法を守らなければいけません。

安全に使用するために忘れてはいけないポイントを紹介します。

一日の用量を守りましょう

プロペシアを服用する量は一日一錠と決められています。

一日飲み忘れたからと言って翌日二錠服用してもいい、というものではないのでご注意ください。

決められた一日の摂取量を超えると副作用が起きる可能性が高くなるからです。
また、日々服用する時間はいつでも構わないのですが、決まった時間に服用するように心がけてください。

例えば毎朝服用している人が何らかの事情で朝服用できず夜に服用した場合、次の朝は服用してはいけません。
一日服用を避ける、もしくは翌日から夜に服用するようにしましょう。

プロペシアを割ってはいけません

プロペシアは割ったり砕いたりしてはいけません。

プロペシアの錠剤はコーティングされていますが、割ることによってフィナステリドの成分が露出してしまうからです。

プロペシアは経口だけではなく皮膚からも体内に浸透するという性質があり、破片を妊娠中や授乳中の人が触れてしまうと危険です。

自分のためだけに使いましょう

プロペシアは譲渡しないようにしてください。

副作用の起こる可能性の低い薬ではあるもののプロペシアは医薬品です。

間違った使い方をすれば副作用が起きる可能性があります。

また、使用法次第ではその人だけではなく周りの人(特に女性)に迷惑をかけることになるかもしれないからです。

プロペシアの注意すべき点

プロペシアは副作用以外にも使用している際に、また、購入する際に注意すべき点があります。

日常生活に影響することですので忘れないでください。

前立腺がんの検査時

プロペシアを服用している人が前立腺がんの検査を受ける際には必ず医者に申告してください。

フィナステリドは元々前立腺肥大の治療薬として開発されたものです。

前立腺の機能に影響を与え、前立腺がん検査で測定するPSA数値を低くするため正常な数値が計測できなくなります。

献血

プロペシアを服用している人は献血してはいけません。

さらに、服用中だけではなく服用を中止してからも一か月以上は期間を空けてからにしてください。

理由はフィナステリドが残留した血液が未成年や女性に輸血される可能性がかかるためです。

服用を中止してからも期間を空けなければいけないのは、血中からフィナステリドが消えるのに一か月間は必要だからです。

個人輸入

AGA治療は保険が利かないため全額自己負担です。

プロペシアを処方してもらうと一か月分で8000~10000円程度で購入しなければいけません。

経済的な負担を減らすために個人輸入で海外製品を購入したいと、と考えている人も多いのではないでしょうか。

とても便利な個人輸入ですがリスクもあります。注意点を紹介します。

個人輸入のリスク

個人輸入の代表的なリスクを紹介します。

まず商品に関するリスクですが、品質の保証がない、偽造品が送られてくる、ということがあります。

悪質な業者を利用するとこのような詐欺行為に合う可能性があります。

また、副作用が起きても補償がないことも大きなリスクです。

日本で販売されている医薬品で副作用が起きると国の補償制度がありますが個人輸入の医薬品には適用されません。

健康被害があったとしても自己責任なのです。

個人輸入代行のリスクを回避するには

個人輸入で受けるリスクを回避したいのであれば輸入代行業者の見極めが重要です。
信頼できる代行業者に輸入代行を依頼しましょう。

現在数多くの代行業者が存在し見極めが難しいのですが、いくつかのポイントがあります。

それは設立してから一定の期間が経っている業者であること、さらに連絡先が明確な業者であることです。

このような業者であれば何かトラブルがあったとしても安心です。もし利用している代行業者が不安な時は、またトラブルが発生した際は消費生活センターに連絡しましょう。

まとめ

プロペシアは非常に信頼性の高い医薬品です。

副作用が起きる確率は非常に低い、と考えて問題ないでしょう。

しかし副作用が起きる可能性はゼロではありません。

安心して服用したい、という希望であれば医師の指導の元で服用することをおすすめします。

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