育毛や発毛に取り組む基本的なこととして、特に「栄養」が大切であると言われます。
その理由として、私たちの毛髪はさまざまな栄養素で保たれているということが言えます。
そのため、その栄養素が体内で不足してしまうと、どんどんハゲや薄毛の進行に繋がってしまうのです。
また、しっかりとバランスよく栄養摂取しておかないと、身体全体の健康を損なう可能性も指摘できます。
毛髪も体の一部ですから、健康を損なうことによって毛髪の健康まで失ってしまうことになるのです。
そのため、育毛や発毛に取り組むためには、治療薬や育毛剤などに目がいきがちですが、基本は栄養をしっかりと摂るということです。
ここでご紹介するタンパク質や亜鉛、ビタミン類などを含んでいる食事をしっかりと摂るようにすれば、髪の成長と共に体の健康維持にも繋がります。
また、同時に健康的な生活習慣にも心がけるようにし、ハゲや薄毛を改善するようにしましょう。
育毛・発毛に効果がある栄養素について徹底解説!
男性・女性ともに、ハゲや薄毛の症状が現れます。
男性と女性の症状の進行には違いがあるものの、その原因を探っていくと、根本原因として「栄養バランスの乱れ」に行きつくことが多くあります。
そのため、これからご紹介する栄養素を意識するようにして、過度なダイエットを避けるようにしましょう。
タンパク質(必須アミノ酸)
毛髪の主成分はタンパク質です。
そのため、育毛や発毛に取り組もうとしているのであれば、まず良質なタンパク質をしっかりと摂るようにしなければなりません。
髪の主成分は「ケラチン」と呼ばれる栄養成分ですが、このケラチンはタンパク質に多く含まれているアミノ酸なのです。
アミノ酸には大きく「必須アミノ酸」「非必須アミノ酸」に分けることができます。
非必須アミノ酸は体内で合成することができますが、必須アミノ酸については生成することができず、食事によって補っておく必要があります。
必須アミノ酸が多く含まれている食材として、豚ロース・鶏むね肉・赤み肉、鮭・サンマなどの魚介類、納豆や豆腐などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、卵などが挙げられます。
亜鉛(ミネラル)
毛髪にボリュームを持たせ、健康に育てていくための重要な成分として、ミネラルの一つである亜鉛を挙げることができます。
亜鉛は、上記で説明した必須アミノ酸を毛髪に合成する役割があり、また頭皮の健康を保つ働きも持っています。
厚生労働省の調査においても不足気味な栄養素であることが指摘されているために、含まれている食材は意識して摂っておきたいところです。
特に、女性においては妊娠中や授乳中の摂取量が少なくなる傾向がありますので注意が必要です。
牡蠣や煮干しなどの魚介類に多く含まれており、、業肉や豚レバーなどの肉類、わかめや昆布などの海藻類などをしっかりと摂るようにしましょう。
ビタミン類(ビタミンB群・A・E・C)
ビタミンは毛髪を育てるための頭皮の環境を整えるために重要な栄養素で、どのビタミンにも共通して代謝を高める作用があります。
特にビタミンB類については、毛髪の主成分であるケラチンを生成する働きを持っているために、アミノ酸を含む食事と共に摂っておくことで効果的に毛髪の健康を保つことにつながります。
また、ビタミンAは亜鉛を毛髪に吸収させる働きが、ビタミンEは頭皮の血流を促進させ環境を整えることができます。
ビタミンCはEと一緒に摂取することで、Eの持っている働きを促進させることができると言われています。
ビタミンはバランスよく摂取することが大切だと考えられており、豚肉などの肉類や納豆などの大豆製品を多く摂るようにするといいでしょう。
ビオチン
ビオチンとはビタミンB群に属する栄養素であり「ビタミンH」と呼ばれることもあります。
食事で摂取すると、体内でアミノ酸や糖、脂質など、代謝に必要な栄養素として働く役割を持っています。
また、毛髪や爪、皮膚などの健康に大きく関わっている栄養素であることが知られています。
ただ、体内で作り出すことができない栄養素であるために、食品からしっかりと摂取しておく必要があります。
ビオチンが多く含まれている食材には、レバーなどの肉類、まいたけなどのキノコ類、らっかせいなどのナッツ類などが挙げられます。
カルドノイド類(β-カロテン、リコピンなど)
β-カロテン、リコピン、アスタキサンチンなどといったカルドノイド類については、アンチエイジングに重要な栄養素であると言われています。
抗酸化作用があると言われており、毛髪に重要な毛母細胞の分裂を促進させることに繋がり、健康的に髪を作り出していく栄養素です。
私たちの体には、歳を重ねるごとに活性酸素が増え、体が酸化してきます。
この活性酸素から守ることができる栄養素なのです。
エビやカニといった甲殻類、トマト、ニンジン、パプリカなどにアルドノイド類であるβ-カロテン、リコピンが多く含まれていることが知られています。
リンゴポリフェノール
リンゴポリフェノールとは、リンゴの皮の部分にたくさん含まれているポリフェノールのことを言います。
ワインなどに含まれているポリフェノールが体に良い作用があるということは、ご存じの人も多いのではないでしょうか。
リンゴにはプロシアニジン、エピカテキン、カテキン、ケルセチンなどといった複数のポリフェノールが含まれており、それらを総称してリンゴポリフェノールと呼ばれているのです。
近年の研究では、育毛に対する作用が優れていると期待されるようになりました。
それは、高い抗菌作用と抗酸化作用があることが分かったからです。
しっかりと摂取することによって、頭皮の環境を整えることができ、毛穴に老廃物や皮脂を詰まりにくくさせ、育毛を促進させることができるのです。
リンゴポリフェノールを効果的に摂取するためには、リンゴの皮部分を食べる必要があります。
皮ごと食べるのが効果的ですが、硬くて苦手な人であればすりおろしたり、ミキサーにかけてジュースにするといいでしょう。
食物繊維フコイダン
フコイダンとは昆布に多く含まれている食物繊維で、身体の組織を再生させる働きや免疫を活性化させる働きが優れているといった研究データがあります。
昆布には独特のネバネバとしている部分がありますが、その中に多く含まれていることが知られています。
特にわが国では、昆布を食べる習慣があり、古代からすでに食べていたという説もあるようです。
フコイダンは頭皮にある毛根の毛髪を促進させる細胞である毛乳頭を刺激し、毛母細胞を増殖させる働きがあると言われています。
また、保湿力にも優れていると言われており、頭皮にとってとても大切な役割を果たしてくれる成分なのです。
そのため、日ごろから昆布はしっかりと摂っておきたいですね。
育毛・発毛に効果がある食事について徹底解説!
冒頭から育毛や発毛に効果がある成分についてお伝えしましたが、それらの成分が多く含まれている食材についてお伝えしていきましょう。
ここでご紹介している食材を意識して摂っていれば、頭皮の環境を整え、育毛・発毛にアプローチすることができます。
豆乳
豆乳とは大豆を原料として作られているものであり、豆腐として固められる前の状態のものを指しています。
豆乳は育毛や発毛だけではなく健康維持の観点でも優れていると言われています。
「大豆たんぱく質」「イソフラボン」が豊富に含まれており、ハゲや薄毛の対策として、まずしっかりと摂っておきたい食材です。
ハゲや薄毛は男性・女性ともにホルモンバランスが大きく影響すると言われています。
男性の場合であれば男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」による影響、女性の場合であれば女性ホルモン「エストロゲン」が大きな原因であると言われています。
豆乳に含まれているイソフラボンは、男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」を生成する「5αリダクターゼ(還元酵素)」の働きを抑制する作用があると言われています。
また女性ホルモンのエストロゲンに化学構造が似ていることが知られており、ホルモンバランスを整えるために役に立ちます。
さらに大豆たんぱく質は髪の成長に欠かせない成分であることも知られています。
そのため豆乳はしっかりと摂るように心がけておくと、育毛や発毛だけではなく、美容や健康にもアプローチすることができます。
卵
育毛や発毛に取り組むためには、「毎朝、卵を食べること」が大切であると言われています。
それは、育毛や発毛を促す成分がたくさん含まれているから。
髪の成長に欠かせない成分「ケラチン」は、その元となる栄養素「タンパク質」をしっかりと摂っておくことが大切です。
さまざまな食材を調べてみると、卵には良質なタンパク質がかなり豊富に含まれていることが知られているのです。
また、アミノ酸の代謝を促進するビオチンもたくさん含まれています。
ビオチンは上記でもご説明した通り、摂取することによって代謝に必要な栄養素として働き、毛髪や爪、皮膚などの健康を保ってくれるのです。
そのため、毎朝卵を食べる食習慣を心がけるといいでしょう。
牡蠣
牡蠣は「海のミルク」と呼ばれることもあり、髪の主成分となるケラチンを合成するための成分である亜鉛を豊富に含んでいることが知られています。
牡蠣に含まれている亜鉛の量は、100gで約14.5mgであると言われています。
成人が一日に必要な亜鉛の量は10gと言われていますが、やや大きめの牡蠣を1個食べるだけで補給できるのです。
また、牡蠣には体内では合成することのできない必須アミノ酸を摂ることもできます。
つまり牡蠣を食べることは、そのまま育毛や発毛に取り組んでいるということになるのです。
玄米ご飯
育毛や発毛体質にするには、ご飯を玄米に変えると良いと言われます。
これは、玄米ご飯に含まれているビタミンEやリノール酸と呼ばれる血行促進効果が期待されている成分が豊富に含まれているからです。
そのほかにもさまざまなミネラル成分が含まれているために、髪を強くする作用に優れていると言え、美容効果も期待されているのです。
現在は、一般のスーパーなどでも炊飯器に入れて簡単に玄米ごはんが炊飯できるようなものがたくさん販売されています。
ぜひこの機会に、白米から玄米ご飯に変えてみるといいでしょう。
ブロッコリースプラウト
ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの新芽のことを指しており、高い栄養価があることから注目されている食材です。
クセがない食べやすい味であることから、野菜不足を補うために習慣的に摂っているという人が多くなりました。
ブロッコリースプラウトには、豊富なビタミンやミネラルが含まれてます。
その中でも、βカロテン、カルシウムなどの含有量が高いことが知られているために、育毛や発毛対策として注目されるようになったのです。
毛乳頭の毛母細胞を増殖させることが期待でき、また美容効果にも優れていると言われていることから、特に野菜不足の人であれば意識して摂るようにしましょう。
まとめ
育毛・発毛に効果がある栄養素や食事について徹底解説しました。
髪の毛を作る栄養成分について理解できたのではないでしょうか。
これらの成分や食材を摂ったからと言って、すぐにハゲや薄毛が改善できるものではありません。
しかし栄養バランスは、育毛や発毛の取り組みには欠かせないものであり、毎日の積み重ねがとても重要になるのです。
自分にあった食材を効果的に摂るように意識してみましょう。