びまん性脱毛症(FAGA) の症状は、男性に見られがちなAGA(男性型脱毛症)や頭皮に丸いハゲがみられる円形脱毛症とはまったく異なる症状が現れます。
全体的にまばらにも応発が抜け落ちていくことから、初期症状はなかなか発見しづらいと言われています。
そのため気になる人であれば、びまん性脱毛症(FAGA) がどのような症状なのか、しっかりと理解しておき、原因や対策、予防法について知っておくようにするといいでしょう。
ここでは、びまん性脱毛症(FAGA)の症状について詳しくお伝えし、AGAとの違いや原因・対策・予防についてご説明していきます。
びまん性脱毛症(FAGA)の症状は?
「びまん性脱毛症」とは、頭部の広範囲にみられる脱毛症状のことを指しており、近年ではFAGA(女性男性型脱毛症)の指す言葉として活用されることが多くなりました。
どのような症状が見られるのか、また男性にも発症するのか、AGAとは違うのか、といったことについて見ていきたいと思います。
髪のボリュームが全体的に少なくなる
冒頭でもお伝えしている通り、びまん性脱毛症(FAGA)の特有の症状として、髪のボリュームが全体的に少なくなってくることが挙げられます。
この記事をお読みの人の中には、このような症状でお悩みではないでしょうか。
- 抜け毛が多くなったような気がする
- 地肌が目立つようになった気がする
- 髪が細くなった気がする
これらはすべて、びまん性脱毛症(FAGA)の症状なのです。
初期症状においては、広範囲から抜け毛が多くなっていくために、なかなか意識していないと気付くことがありません。
地肌が目立つようになってくる頃には、実はかなり進行している状態なのです。
そのような状況にまで至っている場合には、毛髪が細く、コシがなくなっていることも実感できるでしょう。
進行してからでは、なかなかすぐに改善させることが難しくなってしまうために、まずは早めに気付くことが大切なのです。
男性も発症するの?
「FAGA」というと「女性男性型脱毛症」と呼ばれ、女性の薄毛の総称を指す言葉ですが、「びまん性脱毛症」を指す場合には男性にも発症すると言えます。
基本的には女性に多くみられる症状ですが、女性だけに現れる症状ではありませんから注意が必要です。
それは、びまん性脱毛症(FAGA)の原因は、男性ホルモンを直接的な原因とするものではなく、加齢やホルモンバランスの乱れ、生活習慣などであるからです。
そのため、脱毛を生じさせる要因を持っている場合には、男性であってもびまん性脱毛症(FAGA)を発症させることになるのです。
次の章で詳しくお伝えしますが、「AGA(男性型脱毛症)」や「円形脱毛症」とはまったく異なる特徴を持っているために気付きにくいと言えます。
AGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症とは違う?
男性の脱毛として特有な症状に「AGA(男性型脱毛症)」があります。
こちらは、前髪や頭頂部の髪が少なくなってきて、生え際が後退したり、頭頂部が薄毛やはげになってくることから、気づきやすい症状であると言えます。
AGA(男性型脱毛症)の原因は、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼII型と結合することによって生じる「ジヒドロテストステロン」が関係していると考えられています。
びまん性脱毛症(FAGA)は、このAGA(男性型脱毛症)のように、特定の分泌ホルモンが原因ではありませんから、まったく異なるものであると言えます。
また、「円形脱毛症」と呼ばれる症状があります。
こちらは、頭部のいたるところに10円玉くらいの円形のはげが生じる症状で、はげが見られる周りの毛髪も弱く、触れることによって抜け落ちてしまうこともあります。
突発的に生じるものであり、徐々に頭部全体に広がってくるようなこともあります。
このような症状を見ても、頭部の全体的にまばらに抜け落ちてくるびまん性脱毛症(FAGA)とはまったく異なるものであることが理解できるでしょう。
びまん性脱毛症(FAGA)の原因は?
- ホルモンバランスの変化
- 生活習慣や栄養バランスの乱れ
- 間違ったヘアケア
びまん性脱毛症(FAGA)を予防するためには、原因を知ることがとても大切です。
これら3つの原因を取り除くことによって、症状を緩和させることが期待できますから、まずは自身にどのような原因があるのか掴んでおきましょう。
ホルモンバランスの変化
びまん性脱毛症(FAGA)の一番の原因と言われるものに、「ホルモンバランスの変化」があると言われています。
女性に多くみられるのは、女性にはホルモンバランスが乱れるような状況が多々あることが指摘されています。
例えば、妊娠や出産では大きくホルモンバランスが乱れますし、中高年になると更年期の症状によってホルモンバランスが大きく変化します。
そのため、妊娠・出産期や更年期を迎える女性に、びまん性脱毛症(FAGA)の症状が現れやすいと言えるのです。
時期的にホルモンバランスが乱れてしまうのは仕方がないことですが、そのような時期にさらにホルモンバランスを乱してしまわないように過ごすことが大切です。
次で詳しくお伝えしますが、生活習慣や栄養バランスを整えるような健康的な生活を送ることによって、ホルモンバランスの乱れも最小限に食い止めることができます。
またストレスを感じないように過ごすことも大切になると言えるでしょう。
生活習慣や栄養バランスの乱れ
生活習慣や栄養バランスの乱れは、頭皮環境を著しく悪化させてしまうことになりますので、毛髪の成長に支障をきたし、びまん性脱毛症(FAGA)を発症させてしまうことになります。
生活習慣で最も大切なことは睡眠です。
寝不足や睡眠の質が悪い場合には、びまん性脱毛症(FAGA)を発症させる大きな原因となります。
自律神経が乱れてしまい、頭皮の血流を著しく低下させてしまうことになるからです。
同時に栄養バランスも大きな要因となります。
頭皮には十分な栄養を送り届けないと、毛髪を育成させることができなくなってしまいます。
生活習慣の乱れで血流が低下すると、さらに十分な栄養を毛髪に届けることができなくなってしまうのです。
また、ストレスも大きな原因の一つです。
ストレスは緊張状態を作り出してしまい、全身の血流を低下させてしまいます。
頭皮や毛髪にも十分、栄養を届けられなくなってしまうために、びまん性脱毛症(FAGA)の原因になってしまうのです。
間違ったヘアケア
爪を立ててガシガシと髪を洗ったり、ドライヤーの熱風を頭皮の近くに当てたり、洗浄力の強いシャンプーを活用していると、頭皮にダメージを与えてしまい、びまん性脱毛症(FAGA)の原因となってしまいます。
いずれにおいても、ヘアケアの方法を間違っていると言えます。
頭皮環境を悪化させてしまう原因であり、そのような習慣を続けている場合には、少しずつダメージを与えていることになるのです。
そのため、自身のヘアケアの方法が間違っていることに気付いたのであれば、その状況をまずは失くしてしまうことが大切です。
びまん性脱毛症(FAGA)の対策や予防はある?
- 健康的な生活習慣
- 育毛剤や育毛シャンプーの利用
- 正しいヘアケア
- クリニックでの治療
びまん性脱毛症(FAGA)は、その原因となる状態を取り除いて、頭皮の健康を守ることが大切です。
そのための方法として、上記の4つのポイントにまとめてみました。
健康的な生活習慣
びまん性脱毛症(FAGA)の対策や予防として、一番大切なものに「健康的な生活習慣」があります。
これは、脱毛だけではなく、その他の病気の改善や健康を維持するうえでも重要なことです。
そのため、びまん性脱毛症(FAGA)の治療に取り組むとしても、まず生活習慣を整えることが先決であると言えるのです。
健康的な生活習慣とは
- 十分な睡眠時間を確保する
- 良質な睡眠を心がける
- 栄養バランスの良い食生活
- ストレスを解消できる
といったことが挙げられます。
まずは、睡眠をしっかりと取るようにします。
一般的には6時間~7時間程度は確保するようにして、生活リズムを確保するために土日に寝だめするようなことは避けるようにします。
良質な睡眠を取るために、太陽の光をしっかりと浴びようにし、適度な運動に取り組むようなことも大切です。
栄養バランスにも気を配り、外食やコンビニ食が多いような人であれば、野菜を多めに摂るように気を配るといいでしょう。
ストレスは過剰に積み重ならないようにし、趣味に取り組んだり、リラックスできる時間を持つようにしたり、適度な運動に取り組むことも有効です。
育毛剤や育毛シャンプーの利用
びまん性脱毛症(FAGA)では、一般的なシャンプーが合っていないことが少なくありません。
ドラッグストアで販売しているような一般的なシャンプーは、洗浄力が強いために、頭皮にダメージを与えてしまうことがあるのです。
シャンプーによって頭皮にかゆみがあったり、赤く炎症を起こしているようであれば、アミノ酸系シャンプーや育毛シャンプーを活用するといいでしょう。
洗浄力が落ちますが、頭皮に優しい成分になっており、また毛髪を育てる成分も含まれていることから、びまん性脱毛症(FAGA)の対策として有効なのです。
正しいヘアケア
- シャンプーの際には爪を立てない
- ドライヤーは頭皮の近くであてない
まずはこのような習慣に気を付けます。
そのうえで、シャンプーではしっかりと泡立ててから毛髪につけ、頭皮をマッサージするように洗浄していくようにします。
ドライヤーも熱風をあて過ぎないようにして、場合によっては冷風を活用するようにしましょう。
クリニックでの治療
びまん性脱毛症(FAGA)の症状が強く現れているような場合であれば、上記で説明した対処法に取り組むとともに、皮膚科や専門のクリニックで治療が必要です。
クリニックでは、外用薬などを活用して治療に取り組みます。
脱毛がかなり進行しているような場合では、症状の改善が遅くなってしまいますので、症状が気になるようでしたら早めに治療に取り組まねばなりません。
まとめ
びまん性脱毛症(FAGA) の症状について詳しくお伝えしました。
全体的にまばらに毛髪が抜け落ちていくのが特徴であり、初期症状ではなかなか発見しづらいとも言われています。
男性に見られがちなAGA(男性型脱毛症)や頭皮に丸いハゲがみられる円形脱毛症と混同されることが少なくありませんが、まったく異なる症状です。
男性にも生じる症状ですので、気になる人であれば、記事を読み返してみて、対処法や予防法に取り組んでおくことが大切です。
また、すでに症状が進行しているような場合であれば、さまざまな対策に取り組みながらクリニックに相談してみることをおすすめします。