「粃糠(ひこう)性脱毛症」と聞くと、それほど馴染みがないために、どのような症状なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、糠(ひこう)性脱毛症に悩む人は少なくありません。
大量のフケが発生することが特徴で、進行すると脱毛症状も見られるのです。
ここでは、粃糠(ひこう)性脱毛症の症状をはじめとして、原因や対策、予防について詳しくお伝えしていきます。
粃糠(ひこう)性脱毛の症状は?
- 大量のフケ
- 頭皮の炎症
- 赤みやかゆみ、かさぶた
- 脱毛
粃糠(ひこう)性脱毛の症状は、「大量のフケ」が特徴的で、赤みやかゆみなどが生じる炎症を引き起こすことも珍しいことではありません。
ただし、一般的なフケではなく、特徴があります。
どのような症状がみられるのか、お伝えしていきましょう。
大量のフケが現れる粃糠(ひこう)性脱毛の症状
粃糠(ひこう)性脱毛の特徴的な症状として、大量のフケが見られるようになります。
一般的なフケの場合、髪の毛をかき上げたりすることによって、パラパラ落ちてくる印象があると思います。
しかし、粃糠(ひこう)性脱毛の場合、粉雪のような細かなフケが大量に落ちていくのが特徴です。
むしろ髪をかき上げることによって発生するようなものではなく、毛髪に多量にフケが付着していることまで見て取れます。
周りからの見た目にも印象がよくありませんので、本人の大きなストレスとなってしまいます。
悪化すると脱毛の症状が
上記でお伝えした大量のフケは、粃糠(ひこう)性脱毛にみられる特徴的な症状ですが、同時に赤みやかゆみなど炎症が生じることが多くなっています。
炎症がひどい場合には、かさぶたとなって、掻いてしまうとそれが剥がれて落ちてきます。
そのような症状が続いてしまうことによって、頭皮環境が急速に悪化し、毛髪が十分に育たなくなってしまいます。
毛髪が全体的に細くなってしまい、ついには脱毛が見られるようになるのです。
しかも、放置しているとそのまま悪化してしまい、脱毛がどんどん進んでいき、ついにははげや薄毛の原因となってしまうのです。
このような状態まで進んでしまうと、なかなか改善が見られませんので、皮膚科など専門医に相談して治療に取り組む必要があります。
ホルモンバランスの乱れに要注意
粃糠(ひこう)性脱毛の原因は、大量のフケによるものですが、このフケが毛穴に詰まってしまうことによって脱毛になってしまうのです。
直接的な原因については、次の章で詳しくお伝えしていきますが、症状を引き起こす背景にはホルモンバランスの乱れを起こしていることが多々あります。
例えば、生活習慣が乱れていたり、睡眠不足になっていたり、仕事や人間関係で強いストレスを感じていると、自律神経が乱れてしまいホルモンバランスが崩れてしまいます。
自律神経が乱れてしまうと、血流を低下させてしまうことが分かっています。
血流が低下すると頭皮に十分栄養を届けることができなくなってしまい、頭皮の環境が乱れ、毛髪を十分に育成することができなくなってしまうのです。
ホルモンバランスの乱れが生じている中で、合わないシャンプーや間違ったヘアケアの方法などによって引き金になってしまい、粃糠(ひこう)性脱毛を引き起こしてしまうことになるのです。
粃糠(ひこう)性脱毛の原因は?
- 洗浄力の強いシャンプー
- 肌質に合わない整髪料
- シャンプーやコンディショナーのすすぎ残し
- アレルギー体質やホルモンバランスの乱れ
粃糠(ひこう)性脱毛は大量のフケが発生することによって、毛穴を詰まらせてしまい、ついには脱毛を生じさせてしまいます。
それらの直接的な原因として、上記4つにまとめることができます。
順番にご説明していきましょう。
洗浄力の強いシャンプー
洗浄力の強いシャンプーを使い続けていることによって、粃糠(ひこう)性脱毛を発症させる原因になると考えられています。
中には、フケが出始めたと思って、さらに何度も洗い直しをして、余計に悪化させてしまうことも少なくありません。
そのため、症状が出始めたら、まずはシャンプーを疑ってみるのがいいでしょう。
一般的なシャンプーは、洗浄力が強くなっていて、皮膚に必要な皮脂や常在菌まで洗い流してしまいます。
その結果、頭皮を乾燥させてしまうことになってしまい、症状を引き起こしてしまうのです。
特にアレルギー体質の人でしたら、シャンプーが合わないことが多いので、まずは自身が活用しているものを中止することから始めてみるといいでしょう。
肌質に合わない整髪料
毛髪につけている整髪料が合わないということも考えられます。
もし、大量のフケだけではなく、頭皮が赤くなっていたり、小さな水泡ができていたり、かゆみが強く生じているような場合であれば、整髪料を疑ってみることも大切です。
整髪料をつけて、頭皮に染みるような感覚やかゆみがあるならば、すぐに使用を中止しなければなりません。
また整髪料の付け方に問題があるような場合にもあります。
髪ではなく頭皮につけているような場合には、頭皮が炎症を引き起こす原因となってしまいます。
特にジェルやムースなどをべったりと使用しているような場合には、地肌についてしまっていることも多いでしょう。
さらにシャンプーでしっかりと汚れを落とせていない場合には、症状が現れやすくなってしまうのです。
シャンプーやコンディショナーのすすぎ残し
シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しによって、粃糠(ひこう)性脱毛の症状を引き起こす原因になってしまうこともあります。
上記でお伝えした洗浄力の強いシャンプーであればなおさらですが、刺激の弱いアミノ酸系シャンプーなどであっても、すすぎ残しがあると炎症になることがあるのです。
もし、洗髪を簡単にさっと済ませているような場合であれば、しっかりとすすいでシャンプーやコンディショナーを頭皮に残しておかないようにすることが大切です。
すすぎ残しによって頭皮の環境が乱れてしまうと、頭皮に菌が繁殖しやすい状況となりますので、脱毛を促進させる原因になってしまうこともあるのです。
アレルギー体質やホルモンバランスの乱れ
上記3つの原因は、日常的な行動によるものですが、その行動によっても症状が現れる人と現れない人に分かれます。
その背景には、アレルギー体質やホルモンバランスの乱れがあると考えられます。
みなさんの中にもアレルギー体質の人は多いと思います。
食べ物や花粉などでアレルギーになっているような場合であれば、シャンプーやコンディショナー、整髪料などでアレルギー症状を引き起こしているかもしれません。
場合によっては、アレルギーに対する治療が必要なこともあるでしょう。
ホルモンバランスの乱れも、粃糠(ひこう)性脱毛の大きな原因となります。
自律神経の乱れることによって、交感神経が優位となってしまい、身体全体を常に緊張状態としてしまいます。
頭皮に対しても血流を低下させてしまう原因となってしまい、十分に栄養を送り届けることができなくなってしまうのです。
つまり、頭皮の環境そのものを悪化させる原因となってしまいますので、粃糠(ひこう)性脱毛を引き起こしやすくなると言えるのでしょう。
粃糠(ひこう)性脱毛の対策や予防はある?
- 生活習慣を整える
- アミノ酸シャンプーや育毛シャンプーを活用する
- 皮膚科など専門医に相談する
粃糠(ひこう)性脱毛の対策や予防として、上記3つのポイントにまとめてみました。
順番にご説明していきましょう。
生活習慣を整える
冒頭からお伝えしている通り、粃糠(ひこう)性脱毛の特徴的な症状である大量のフケは、生活習慣の乱れがきっかけとなって生じていることが多く見受けられます。
まず、自身の普段の生活を振り返ってみて、健康的な生活を心がけることが大切です。
特に、「睡眠」「栄養バランス」「ストレス」が重要なポイントです。
睡眠は十分な睡眠時間を確保することはもちろんのことですが、早寝早起きによって健康的に過ごすことがとても重要になります。
例えば、土日などに「寝だめ」をしてしまうことによって、生活習慣のバランスを崩してしまうことがあります。
そのため、休みの日でも、いつもの生活習慣の時間よりも2時間を超えない範囲で過ごすことが重要であると言われます。
栄養バランスは、頭皮に栄養を送り届けるために、最も大切な習慣であると言えるでしょう。
外食やコンビニ食が多いような場合であれば、できるだけ栄養バランスに配慮して摂取するようにします。
また「ストレス」はホルモンバランスを崩してしまう原因となります。
仕事や人間関係などでストレスを感じている場合であれば、趣味に打ち込んだり、適度な運動に取り組んだり、解消する方法を持つことが重要でしょう。
アミノ酸シャンプーや育毛シャンプーを活用する
粃糠(ひこう)性脱毛の直接的な原因として、市販のシャンプーでは洗浄力が強すぎたり、刺激が強すぎてしまうということがあります。
そのため、頭皮や毛髪に優しい、天然由来成分をしっかりと含んでいる、アミノ酸系シャンプーや育毛シャンプーを活用するといいでしょう。
それらのシャンプーは、一般的に市販されているものと比べると洗浄力は落ちますが、ただ頭皮の常在菌まで洗い落とすことがないために、頭皮環境を守ることができます。
また、毛髪を育てることができる成分が含まれているものも多いために、脱毛の予防にも繋がるのです。
そのため、粃糠(ひこう)性脱毛の初期症状から、アミノ酸系シャンプーや育毛シャンプーを活用するようにしておくといいでしょう。
皮膚科など専門医に相談する
粃糠(ひこう)性脱毛が進行している状況や、あまりにも大量のフケで悩まされているようであれば、皮膚科やAGAクリニックなど、専門医に相談することがいいでしょう。
皮膚科では一般的に、フケが発生している部位に対して、ステロイド薬を塗布して治療を行っていきます。
かゆみや炎症が生じている場合においても、対応する薬剤が処方されます。
ただし、皮膚科では症状に対する治療になりますので、脱毛に対する治療や予防に取り組まれることはありません。
脱毛がかなり進行しているような場合であれば、皮膚科と共にAGAクリニックに通うことがおすすめです。
まとめ
「粃糠(ひこう)性脱毛症」で悩まれている人のために、症状や原因、対処法について詳しくお伝えしました。
大量のフケが特徴で、かゆみや赤みなど炎症が生じることもあり、悪化すると脱毛が見られることもあります。
特有の症状で悩まされている場合であれば、記事を読み返してみて、対策や予防に努めてみるといいでしょう