頭皮とシャンプーには深い関係があります。
間違ったシャンプーの方法を続けていると、かゆみやフケ、炎症などの頭皮トラブルを引き起こす原因となってしまうのです。
そこでここでは、シャンプーの正しい方法や頭皮にあったシャンプーの選び方、また、頭皮マッサージ、頭皮トラブルの要因・対策についてまとめてみました。
頭皮とシャンプーの関係
シャンプーは毛髪を洗うもの。そのようにお考えの人は多いのではないでしょうか。
毛髪をきれいにするだけであれば、実はお湯をかけるだけでもかなり汚れを落とすことができます。「湯シャン」と呼ばれていたりします。
そのため、シャンプーの重要な役割は毛髪を洗うためではなく、頭皮をきれいにして頭皮環境を守るということにあります。
頭皮とシャンプーの関係について詳しくお伝えしていきましょう。
シャンプーは頭皮を洗う
シャンプーは頭皮の汗や皮脂などの汚れをしっかりと落として清潔に保つことが、毛髪を育てるためには不可欠であると考えられています。
頭皮には多くの毛根があり、毛髪を育てるための土壌となっています。
毛根には毛母細胞と呼ばれる毛髪をつくるための細胞が存在し、細胞分裂を繰り返しながら毛髪を少しずつ成長させているのです。
頭皮は身体の中でも新陳代謝が活発な部位として知られており、汗や皮脂などの分泌が盛んにおこなわれています。
それらが、頭皮の汚れのもととなっています。
また毛髪が集まっているために蒸れやすい部位であるとも言え、汗によってニオイが発生したり、皮脂が毛穴に詰まって細菌が繁殖するようなことも多くあります。
そのため、フケやかゆみ、炎症などといったトラブルが生じやすい部位であるともいえるのです。
トラブルが生じると、頭皮環境が悪化し、健康な毛髪が育ちにくくなってしまいます。
場合によっては、毛周期自体も乱れてしまい、ハゲや薄毛の原因になってしまうこともあります。
そのようなことから、シャンプーの行為はたんに毛髪の汚れを落とすものであるという意識から、頭皮の環境を整える重要な行為であると認識しておくことが大切でしょう。
シャンプー時には頭皮マッサージ
頭皮の健康を保つためには、シャンプー中や前後において頭皮マッサージに取り組むことが効果的であると言えます。
シャンプーは汚れを落とすものという認識だけではなく、頭皮マッサージを行い、頭皮の血行を良くして環境を整えるという意識も大切です。
シャンプー中だけではなく、シャンプーの前後においても取り組むようにします。
まずはシャンプー前には、毛髪が乾いた状態においても頭皮を優しくマッサージするようにしましょう。
頭皮が柔らかくなると同時に血行を促進させることもでき、毛髪に必要な栄養素や酸素をしっかりと頭皮に送り込むことができるようになります。
シャンプー中においては、手のひらにシャンプーを取ってしっかりと泡立てて、指の腹を使って丁寧にマッサージすると良いでしょう。
このシャンプー中のマッサージによって、毛穴に詰まっている皮脂をしっかりと落とすことができますので、シャンプーが終わったらすすぎ残しがないようにたっぷりとお湯をかけるようにします。
このシャンプー前後のマッサージは、頭皮を刺激することによってリラックス効果を得ることができ、副交感神経を優位にする作用にも優れています。
睡眠の質が良くなり、深い眠りにつくことができるようになり、代謝の促進を促して、結果的に毛髪の健康を助けることにもつながるのです。
頭皮ケアはまず良いシャンプーを活用する
頭皮は身体の皮膚の中でも特に薄いぶいであることが知られており、シャンプーに含まれている化学物質の影響を受けやすい特徴があります。
例えば、市販のシャンプーを活用すると、洗浄力は大変高いのですが刺激が強く、かゆみや赤みなどの症状を引き起こす原因になってしまうこともあるのです。
また、頭皮から化学物質を体内に吸収してしまうこともあり、体内にそのまま蓄積されてしまうこともあるようです。
そのようなことの積み重ねが何らかの副作用となって現れることも考えられます。
そのため、シャンプーは日常的に頭皮に活用するものですから、やはり体にいいもの、優しいものを活用することが大切です。
現在使っているシャンプーの洗浄成分など、含まれている成分を把握しておくことが大事です。
例えば、一般的な市販のシャンプーには「ラウリル硫酸ナトリウム」と呼ばれる界面活性剤が含まれていることが多くみられます。
「ラウレス硫酸ナトリウム」は洗浄力に優れていることで知られており、原価がかなり安いこともあって、多くの市販シャンプーに使われています。
しかし、その反面で刺激性が強く、アレルギーを引き起こす可能性があるとも言われているものなのです。
そのようなものは、できる限り避けたい成分でしょう。
赤ちゃんが活用するようなシャンプーには、このような刺激の強いものは使われておらず、「イミダゾリン型」界面活性剤が活用されています。
一般的に刺激性は低いので、肌への負担も少ないので選ばれています。
イミダゾリン型界面活性剤には「コカミドプロピルベタイン」「ラウラミドプロピルベタイン」といった成分があり、低刺激の成分として知られています。
シャンプー時の頭皮マッサージの方法
- 頭皮全体を指のはらでほぐす
- 頭部をまんべんなく指圧する
- 頭部を包み込むようにハンドプレスする
シャンプーの前後・途中にマッサージをすることは、血行を良くし、毛髪に良い頭皮環境に繋げることができます。
しかし、ただ単に頭皮に対して刺激を与えるだけでは、血行をむしろ悪くしてしまい、逆効果になることもあります。
そのため、正しい頭皮マッサージを学んでおくことが大切です。
マッサージの時間の目安は2分程度ですので、しっかりと覚えて実践してみましょう。
頭皮全体を指の腹でほぐす
頭皮マッサージを行うにあたって、「指の腹を使ってほぐす」と意識しておくことが大切です。
特にシャンプーの際に、爪や指先でガシガシと頭皮をこすっていることはないでしょうか。
このような方法は、頭皮を痛めてしまう原因となり、炎症やかゆみなど頭皮トラブルを生じさせることにもつながるのです。
頭皮マッサージのポイントとして、指のはらや手のひらを使って、血行の改善を意識して、心地よいと感じる程度の強さで軽くほぐしていくといいでしょう。
頭皮マッサージを続けていると、頭皮が硬くなっている部分に気付くことがあります。そのような部位には特に念入りに行うとよいでしょう。
シャンプー時だけではなく、シャンプー前後においても同じように、指のはらを活用してマッサージするようにします。
頭皮全体を指のはらで押すようにして、全体をほぐしてみてください。
頭部をまんべんなく指圧する
頭皮を指5本を活用してわしづかみするようにし、頭皮を持ち上げるようなイメージで指圧していきます。
その際に、地肌に置いた指は、滑らさないようにして、地肌に負担をかけないようにすることがポイントです。
えりあしから始めるようにして、後頭部、頭頂部に向かって、少しずつ上にずらしながらマッサージを進めていきます。
頭皮全体をまんべんなく指圧していくことがポイントです。
頭部を包み込むようにハンドプレスする
頭皮全体の指圧ができたら、仕上げとして両方の手のひらを活用して、頭部全体を包み込むようにしてハンドプレスを行います。
手のひらで頭部を包み込み、そのままプレスとマッサージをしてみるといいでしょう。
また、頭皮だけではなく、フェイスケアを行っておくことも効果的です。
というのも、頭皮と顔の皮膚は繋がっています。そのため、頭皮と顔の皮膚は別物というものではないのです。
つまり、フェイスケアにも取り組んでおくことで、頭皮の健康にも繋げることができます。
シャンプーによる頭皮トラブルの要因
- 毛穴の詰まり
- フケが多く出る
- 頭皮がベタつく
- 頭皮が赤く炎症を起こす
間違ったシャンプーを行うことで、上記のような頭皮トラブルに繋がることがあります。
そのため、シャンプーを安易に考えるのではなく、正しいシャンプーの方法を行い、頭皮に優しいシャンプーを選ばねばなりません。
毛穴の詰まり
シャンプーは頭皮を洗うとお伝えしましたが、単に毛髪の汚れだけを落としているようなシャンプーをしていると、皮脂が落としきれずに毛穴の詰まりを生じさせてしまいます。
頭皮には皮脂を分泌する皮脂腺があります。皮脂腺には本来、分泌した皮脂によって毛髪や頭皮を守る役割があるのです。
しかし、シャンプー方法が間違っていたり、刺激の強いシャンプーを活用していると、過剰に皮脂を分泌させたり、取り除けなかった皮脂によって毛穴を詰まらせ、毛髪の成長を妨げる要因となってしまうのです。
そのため、シャンプーではしっかりと皮脂を取り除いておけるようにしておくことが重要になります。
毛穴の詰まりが続いていると、毛髪がやせ細ってしまい、脱毛の原因にも繋がります。
フケが多く出る
皮脂を過剰に分泌させたり、シャンプーの洗浄力が強く乾燥させてしまった場合には、フケを多く生じさせてしまうことがあります。
フケは、誰にでも見られる症状ですが、過剰にフケが生じてしまうのは、間違ったシャンプーによるものであることもあります。
髪をかき上げるだけでボロボロとフケが落ちてしまうような場合には、何らかの対策が必要でしょう。
場合によってはフケの増加に伴ってかゆみも発生し、掻いてしまうことによってさらにフケが発生してしまいます。
特に乾燥したフケの場合には、頭皮の乾燥によるものが原因のことが多く、洗浄力の強いシャンプーを活用することで、頭皮の保湿性が失われてしまうのです。
頭皮がベタつく
頭皮がベタついているのは、皮脂が過剰に分泌している可能性があります。
そのような場合には適切なシャンプーによって、頭皮を清潔に保つことが大切です。
しかし皮脂をしっかりと洗い落とそうとして、洗浄力の強いシャンプーを活用し続けることによって、頭皮を乾燥させ、さらに皮脂を過剰分泌させてしまう可能性があります。
そのため、シャンプーでは頭皮が乾燥し過ぎないようにし、皮脂が過剰に分泌しないように、頭皮に優しいシャンプーを活用するようにしましょう。
頭皮が赤く炎症を起こす
頭皮は外出時には太陽の光を直接浴びることになり、また汗や汚れが付着しやすいため、頭皮トラブルを起こしやすいと認識しておくことが大切です。
そのため、間違ったシャンプーの方法や、洗浄力のシャンプーを活用して負担をかけ続けていると、当然ながら、頭皮を炎症させるようなことも起きてしまうのです。
赤みを伴う炎症は、頭皮に負担をかけているという反応ですから、すぐに対処しなければなりません。
普段からの頭皮ケアだけではなく、睡眠不足や食生活の乱れなども原因になっていることがありますので、健康的な生活を心がけることが重要です。
シャンプーによる頭皮トラブルへの対策
- 正しいシャンプー
- 頭皮クレンジング
- 正しいドライヤー
シャンプーによる頭皮トラブル対策として、上記3つのポイントにまとめることができます。
順番にご説明していきましょう。
正しいシャンプーの方法で
シャンプーの方法や、頭皮に合ったシャンプーを選ぶことはとても重要です。
また同時に、シャンプー後には、しっかりとシャンプー剤を洗い流しておき、すすぎ残しがないようにすることが大切です。
シャンプーのすすぎ残しは、頭皮への刺激物になるからです。
すすぎ残しによる頭皮トラブルは意外と多いので、上・下・横と全方位からしっかりと流すようにしましょう。
頭上からシャワーをかけるだけだとどうしてもすすぎ残しが出やすくなります。
そのため、上からだけでなく、下から横からなど、シャワーヘッドをいろいろな向きから当てるようにして、十分すぎると思うくらいに流すことが必要です。
頭皮クレンジングを行う
頭部は汚れが付きやすく、また汗や皮脂などがたまりやすい部位ですから、毎日のシャンプーだけではしっかりと落とせないことがあります。
そのため、週に1〜2回程度は、シャンプー前に頭皮クレンジングをしておくようにしましょう。
専用のオイルややクレンザーを活用し、毛穴の汚れを揉み出すように頭皮マッサージをすると効果的です。
頭皮環境を整えることができ、健康な毛髪に育てていくためにはとても重要なのです。
もし、皮脂の洗い残しがあったり、汚れ後残っていると、毛穴が詰まってしまい、抜け毛や悪臭の原因になってしまいます。
正しいドライヤーのかけ方を
シャンプー後は、タオルで半乾きになるまで雫を取り除き、その状態でドライヤーで髪を乾かしていきます。
乾かすときには、毛髪に近づけすぎないようにし、頭皮から乾かしていくようにしましょう。
分け目をつくるようにして、ドライヤーの風を当てるようにするのです。
頭皮や毛髪の根元がしっかりと乾いていないと、雑菌を繁殖させる原因になってしまい、皮脂の過剰分泌や悪臭の原因になってしまいます。
まとめ
頭皮とシャンプーの深い関係についてお伝えしました。
間違ったシャンプーの方法を続けていると、かゆみやフケ、炎症などの頭皮トラブルを引き起こす原因になってしまいます。
そのため、必ずシャンプーの正しい方法を身につけ、頭皮にあったシャンプーを選ぶようにしましょう。
また頭皮マッサージにも取り組むようにし、頭皮トラブルの要因や対策についても把握していくことが大切です。